2011年11月11日

東京は朝から冷たい雨ですね。

今日は自分の師である三浦由太郎師範の命日です。
 
お亡くなりられてからもう10年も経ちました。

三浦師範はすごく”カッコいい”師範でカリスマ性が物凄くあって、これぞ極真の空手家!という感じの方でした。

お世辞にも真面目な弟子とは言えない自分にもよく稽古をつけてくださいました。

技や組手の事など沢山の事を学ばせていただきましたが、今、考えてみると一番、学んだのは『考え方』だったような気がします。

ある試合の前に自分が夜遅くまで稽古していると三浦師範が来てくださりアドバイスをしていただいたのですがその最後に『身体は、所詮借り物だから生きてるうちに使い切るんだ。じゃないと勿体無いよ』と言われた事がありました。

自分としては、確かにそうだせっかくの借り物なんだから目一杯使わなきゃ損じゃないかと、なんだか妙に納得してしまった思い出があるのですが今から考えると空手の稽古を通して三浦師範に人生に通じるアドバイスをいただいていたのですね。

またよく食事をご馳走していただいたりしたのですが物凄く大食漢の師範で食べる量が半端じゃなく、おのずと弟子や生徒達も大食漢になっていきました。試合前に「みんな!スタミナをつけるぞ!」と20人位で焼肉の食べ放題に行った時などは店の肉を食べきってしまい他のお客さんやお店の人にイヤな顔をされたり試合で優勝した時は祝勝会で飲みに行き酔った勢いで繁華街のど真ん中で「正拳突き」を始めてしまったりと厳しい稽古だけではなく、そんなマイナー調な思い出もたくさんありますね・・・

そんな三浦師範が亡くなられる前の最後の稽古をした後に、道場からお帰りになれる時に自分が挨拶に行くと「根本”君” またね」と大きく手を上げて帰られてたので自分はびっくりして慌てながら「オッ! オス!」と返事した事を覚えています。

入門してから10年近く師範が自分に対して「君」付けで呼ばれたことは只の一度もなくあまりに突然の事だったのですごく印象に残りました。道場の帰り道、何故か三浦師範が言った「根本”君” またね」という言葉が頭の中で繰り返し繰り返し響いていました。

その数日後、不慮の事故で40歳という若さで三浦師範はお亡くなりになりました。

ご冥福をお祈りするばかりです。

今でもたまに師範の事を思い出すと今、生きておられたら物凄く御活躍していた事と思います。

『三年修行が遅れても良師を選べ』とは古い中国の言葉ですが、初めから私は本当に良い師に巡り会えることが出来ました。

ただただ本当に感謝ですね。

自分も もうすぐ師範の年齢になろうとしていますが師範の教えどうりに『人生を目一杯、生き切って』終わらせたいと考えるようになりました。



まだまだですけどね!!